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“地域と共生する再生可能エネルギー”の、その先へ。──山梨県議会議長・宮本秀憲氏が語る、太陽光と水素が描く未来

再生可能エネルギーの導入が全国的に進む中、
「地域との共生」は避けて通れないテーマとなっています。

全国トップクラスの日照時間を誇る山梨県では、太陽光発電の普及だけでなく、水素エネルギーやJクレジットなど、次世代のエネルギー活用にも積極的に取り組んでいます。

今回FitFounderでは、山梨県議会議長・宮本秀憲氏(みやもと・ひでのり)にインタビューを実施。
山梨県が再エネ先進県となった背景や、今後の展望、そして再エネ事業者に求められる姿勢についてお話を伺いました。

山梨県が再エネ先進県となった理由

まず、山梨の再生可能エネルギーの現状について教えてください。

山梨県は東京と比べ、年間約220時間も日照時間が長いと言われています。
その恵まれた自然条件に加え、2011年のFIT制度開始以降、太陽光発電設備の導入が大きく進みました。
さらに、耕作放棄地の増加という地域課題もあり、太陽光発電設備を設置できる土地が比較的多かったことも普及を後押しした要因の一つです。

山梨県はもともと水力発電も盛んで、自然エネルギーが豊富な土地でもあります。再生可能エネルギーは、地域の特性を活かしながら発展してきました。

太陽光だけではない。「水素」という次の挑戦

太陽光だけでなく、水素にも力を入れていらっしゃいますね。

山梨県が今、特に力を入れているのが「やまなしモデルP2G」です。
再生可能エネルギーで発電した電気を利用して水を電気分解し、水素として貯蔵・活用するこの技術は、世界からも注目を集めています。
電気はそのままでは長期間蓄えることが難しい一方、水素へ変換することで必要なタイミングでエネルギーとして利用できるようになります。
これは世界的にも非常に進んだモデルケースになっており、海外への技術展開も視野に入れています。

技術だけでは普及しない。社会実装という課題

一方で、水素社会の実現にはまだ多くの壁があります。
課題は大きく3つあります。

  1. 水素製造コストの高さ
  2. 規制の多さ
  3. 利用者やインフラ不足

技術はすでに高いレベルまで進んでいるものの、「実際に使われる社会」をつくるには、価格や制度、利用環境などを整えていく必要があります。

だからこそ行政だけでなく、
民間企業との連携が重要になります。

再エネを広げるには、地域との共生が欠かせない

宮本氏が力を込めて語ったのが、「地域との共生」という考え方でした。

進める中で、住民理解や事業者との調整など、難しさもあったのではないでしょうか。

かつて太陽光発電の普及が進む中で、急傾斜地への設置や住宅地近くのメガソーラーなど、住民とのトラブルも発生しました。
そこで山梨県では全国に先駆けてガイドラインや条例を整備し、適正な設置を進める仕組みを構築しました。

住民の声を制度にすることが政治の役割。
企業の利益だけを追求するのではなく、
地域住民の安心や理解を得ながら進めることが、
これからの再エネ事業には欠かせない姿勢だと思います。

さらに、「近隣住民にもメリットがある仕組みを考えることが大切」であり、
電気料金の還元や地域への利益配分など、地域にリターンを生み出す仕組みづくりも重要と考えております。

山梨から世界へ。再エネの価値を広げる挑戦

太陽光・蓄電池などで生まれる環境価値を、Jクレジットとして可視化・活用する動きについてご意見をいただけますでしょうか。

非常に関心は高いです。山梨県は森林がすごく多く、森林はCO2を吸収するから、それ自体が取引の対象になり得ます。太陽光も水力もたくさんあり、つまり、山梨は環境価値を「売る側」に回って、対価を得る側になれる。そこに大きな関心があります。

貴社のビジネスとしては、Jクレジットのマーケットが前提ですが、たとえば、CO2を多く排出している企業と、山梨やローカルガバメント(地方自治体)とをおつなぎいただく。
山梨県とそうした企業の“縁”をつないでいただく。
その結果、排出企業は、排出せざるを得ない分を山梨県との縁の中で相殺(オフセット)できる。
それは、ぜひやっていただきたいことですね。

「地域の困りごと」を解決する企業へ

インタビューの最後に、宮本氏はFitFounderへメッセージを送ってくださりました。

会社はもっと大きくなる。その時に利益を地域へ還元し、『自分たちに何ができるか』を考え続けてほしい。

また、「相手が何を求めているのか、どこに課題があるのかを考えることは、
行政との関係だけでなくビジネスそのものにも通じる」という点もご助言いただきました。地域の課題に寄り添い、その解決を目指す企業こそが、これからの時代に求められる存在なのかもしれません──

おわりに

今回のインタビューを通して印象的だったのは、

  • 再生可能エネルギーを広げること
  • 地域と共生すること

これらは決して別々ではないということでした。再エネの普及は技術だけでは実現しません。
地域の理解を得て、社会課題の解決につなげることで、初めて持続可能な未来が見えてきます。FitFounderもまた、地域社会との対話を大切にしながら、再生可能エネルギーの価値を広げてまいります。宮本様、お忙しいところ貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました!


宮本 秀憲(みやもと・ひでのり)
山梨県議会議員(甲府市選挙区・自由民主党)、第135代山梨県議会議長。1978年甲府市生まれ。
早稲田大学商学部卒業後、株式会社日立製作所で電力グループの調達業務に従事。
その後、衆議院議員(元外務副大臣)の公設秘書を経て、2015年に山梨県議会議員に初当選。
「太陽光発電施設の適正導入ガイドライン」や関連条例の制定を推進し、再生可能エネルギーと地域共生の両立に尽力。教育、産業振興、防災など幅広い分野で政策に取り組んでいる。
空手黒帯、フルマラソン完走、渡航歴32か国以上。

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